こんにちは、きこです🌷
精神科で看護師をしながら、医療職の働き方について書いています。
「夜勤明けでも家事をしないと、、、と頑張っていた」
「3日後、急に動けなくなった理由がわからなかった」
「夜勤回復のリズム、どう作ればいい?」
📌 この記事は、こんな方へ
・夜勤を続けながら家事も担っている方
・夜勤明けの『遅れて来る消耗』に心当たりがある方
・現実的に続けられる夜勤回復プロトコルを知りたい方
「夜勤明けに眠れない」「夜勤が続いて体がボロボロ」——私も、長いこのループの中にいました。
私は精神科看護師です。病棟での夜勤を10年以上続けてきました。夜の病棟は独特の空気があります。昼間とは違う重さがある。患者さんが不安になりやすい時間帯で、スタッフの数は少なく、判断を求められる場面が静かに積み重なっていきます。
夜勤明けに「うまく休めない」問題は、ずっと私の課題でした。今日は、失敗し続けた私が夫のナギに指摘されてようやく変われた体験を、正直に書きます。
夜勤が身体に与える影響
まず、なぜ夜勤明けにうまく眠れないのかを理解してから話を進めます。
人の体は概日リズム(サーカディアンリズム)によって、昼間に活動し夜間に休息するよう設計されています。夜勤はこのリズムに逆らうため、身体にはじわじわと以下のような影響が積み重なっていきます。
📋 夜勤が身体に与える主な影響
- 睡眠の質が低下する(浅い睡眠・中途覚醒が増える)
- 消化機能が低下し、胃腸トラブルが起きやすくなる
- 免疫機能が一時的に低下する
- メンタル面の安定が崩れやすくなる
精神科の夜勤は、これに加えて「感情的な消耗」が乗っかってきます。患者さんの苦しみに付き合う時間が長い分、身体だけでなく心もすり減っている。それが夜勤明けの疲れを、一般的な夜勤よりも複雑にしていると、今は思っています。
【失敗パターン】交感神経優位のまま動き続けた、3日間
かつての私は、夜勤明けに帰宅するとすぐに動いていました。
朝9時ごろ病院を出る。帰り道にスーパーへ寄って夕食の買い物をする。帰宅して洗い物を片付けて、洗濯を回して、干して——「動けるから動いてしまう」のです。正直、その時点では疲れをあまり感じていませんでした。むしろ少し頭が冴えているような感覚すらある。
それが錯覚だと気づいたのは、3日後です。
どっと押し寄せる疲労感と、メンタルダウン。普段は気にならないことが頭から離れなくなる。職場の人間関係のちょっとしたすれ違いが、必要以上に大きく感じてしまう。「辞めたい」という気持ちが出てくるのも、たいていこのタイミングでした。
ナギに「なんか最近ずっとしんどそう。夜勤明けに何してるの?」と聞かれて、答えながら自分でも気づきました。帰宅後に普通に家事をこなして、眠れないまま昼まで起きていることを繰り返していたのです。
夜勤明け直後の「元気」は、本当の回復ではありません。交感神経が優位なまま消耗した状態が続いているだけ——これを理解していなかったことが、失敗の根本にありました。
【成功パターン】「帰宅後すぐ入浴」に変えて、休みが充実した
ナギから「帰ったらまず風呂に入って、その後すぐ寝てみたら?」と言われたのがきっかけです。当時の私は「それだけで変わるの?」と半信半疑でした。
でも試してみたら、違いが出ました。
帰宅後、買い物も家事も後回しにして、とにかく浴室へ向かいます。38〜39℃のぬるめのお湯に30分ほど浸かる。この時間はスマホも見ない、何も考えない。ぼーっとするだけ。じんわり汗をかく頃には、帰宅時の「興奮状態」が少しずつほどけていく感覚があります。
お湯の中で気づいたのですが、夜勤中の私は「患者さんのそばにいる自分」を何時間もやり続けているのです。感情を使う仕事です。それを脱ぐには、意識的に何もしない時間が必要でした。入浴はその切り替えスイッチになりました。
入浴後は遮光カーテンで部屋を真っ暗にして眠ります。眠れなくてもいい、横になるだけでいいと自分に言い聞かせながら。最初は眠れないこともありましたが、1〜2週間続けるうちに、きちんと眠れるようになりました。
変化は3つありました。①回復までの期間が明らかに短くなった。②疲れが後を引かなくなった。③夜勤明けの休日が、ようやく「休んだ」と感じられるようになった。
過ごし方を変えただけで、これだけ違うのかと正直驚きました。
夜勤明けの回復プロトコル(3ステップ)
💡 ステップ1:帰宅時の「光対策」
朝の強い光は体内時計を「昼モード」に固定してしまいます。帰宅時はサングラスをかけて強い日光を避けましょう。スマホの画面も帰宅後はなるべく見ないようにすると、眠りにつきやすくなります。
私はサングラスをすることに少し抵抗があったのですが、帰り道に試してみたら実際に眠気のスイッチが入るのが早くなりました。見た目より効果を取ることにしています。
💡 ステップ2:半身浴30分で「副交感神経モード」に切り替える
帰宅後すぐに入浴します。38〜40℃のぬるめのお湯に30分ほど浸かる。この時間は何も考えない、スマホも見ない。ただぼーっとするだけでいい。
これが夜勤明けの回復で最も重要なステップです。交感神経優位のまま眠ろうとしても体は準備できていません。入浴によって体と神経を「休む状態」に切り替えてから眠ることで、睡眠の質が大きく変わります。
また、夜勤前の対策として、キョーレオピン(滋養強壮剤)を飲んでから出勤するようにしてから、仮眠後に起きたときのすっきり感が違うと感じています。夜勤に入る前に仕込んでおく発想は、試してみる価値があると思います。
💡 ステップ3:「仮眠 vs フル睡眠」の使い分けと回復食
夜勤明けの昼間の睡眠は、状況に応じて使い分けます。
- 次の夜勤まで間隔がある場合:4〜6時間の仮眠に留め、夜に自然に眠れるようにする
- 連続夜勤の場合:できる限り長く寝て疲労回復を優先する
起きたら消化に負担をかけない食事を。豆腐・温泉卵・バナナ・ヨーグルトなど、胃腸への負担が少なくタンパク質も摂れるものが理想です。私はずっと「夜勤明けはしっかり食べて回復を」と思っていましたが、これも逆効果でした。消化にエネルギーを使う食事は、眠りを浅くします。料理する余裕がなければコンビニで十分です。
精神科特有の疲れについて、少しだけ
精神科の夜勤には、他の病棟とは少し違う重さがあります。患者さんが眠れなくて訴えに来る。不安が高まってナースコールが続く。言葉を選びながら関わる時間が、夜中にいくつも積み重なる。
翌朝の帰り道、私はしばらく「今日の夜勤どうだったか」を頭の中で反芻します。あの対応でよかったか、あの言葉は届いたか。これがまた、脳を覚醒させているのだと思います。
身体を休めるだけでなく、頭の中を「患者さんのことで埋まった状態」から切り離す時間が必要です。入浴中に意識的に「今日の仕事はいったん置く」と自分に言い聞かせることも、私には助けになっています。完璧にはできませんが、意識するだけで少し違います。
まとめ
夜勤明けの「元気」を信じてはいけない、というのが私の10年以上の失敗から得た結論です。それは交感神経が出している偽りのエネルギーです。
帰宅後すぐに半身浴→遮光で眠る。この流れを固定するだけで、3日後のメンタルダウンが消え、休日が本当の回復の時間になります。シンプルですが、私にとってはナギに指摘されるまで気づけなかったことでした。
夜勤がある仕事は、回復の仕方も仕事のうちだと今は思っています。
📚 参考・引用文献
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(https://www.mhlw.go.jp/content/001114280.pdf)
- 公益社団法人 日本看護協会「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/yakinkotai/)
- 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)精神保健研究所(https://www.ncnp.go.jp/)
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