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整体師として独立して、腰椎ヘルニアで倒れた日のこと

2026 5/10
キャリア・環境リカバリー
2026年5月24日

朝、起き上がれなかった。

ベッドから立とうとした瞬間、腰に電流が走るような痛みが広がって、私はそのまま床に崩れ落ちました。「あ、これはまずい」と思ったとき、すでに自力では動けなくなっていました。

目次

「ようやく自分の場所を作れた」と思っていた

OT(作業療法士)として18年、病院やリハビリ施設で働いてきました。仕事は嫌いではありませんでした。でも、組織の中で動くことの息苦しさはずっとありました。目の前の患者さんとじっくり向き合いたいのに、記録や会議や多職種連携で時間が削られていく。そのもどかしさが積み重なって、いつからか「独立」という言葉が頭の中に棲みつくようになっていました。

数年かけて少しずつ準備を重ねて、ようやく整体をメインに据えてOTはパートに切り替えました。自分のペースで、一対一で、「ありがとう」が直接返ってくる。それが私の理想でした。独立した直後、私は本当に満たされていました。「ようやく自分の場所を作れた」と、そう思っていたのです。

突然、動けなくなった

ヘルニアの兆候は、振り返ればずっと前からありました。重い施術台の移動、長時間の前傾み姿勢、無理な体勢での介助。「整体師なんだから体のことはわかっている」という過信が、サインを見逃させていたのだと思います。

倒れたのは、独立から1年半ほど経った頃です。前日から腰の鈍い痛みはあったのですが、予約をキャンセルするという選択肢が頭にありませんでした。フリーランスにとって、予約を断ることは収入を断ることです。無理をして施術を続けて、翌朝、起き上がれなくなっていました。

「あとどれくらい持つか」を計算しながら横になっていた

診断は腰椎椎間板ヘルニア。安静と言われて、2ヶ月近く仕事ができませんでした。

横になりながら、私は何度も計算していました。貯金はあとどれくらいあるか。固定費はいくらかかっているか。家族の生活費は。最低でも何ヶ月もつか。数字が出るたびに、焦りが深くなっていきました。

会社員であれば、傷病手当金があります。4日以上仕事を休んだ場合、標準報酬日額の3分の2を最長1年半受け取れる制度です。でも、フリーランスには傷病手当金がありません。働けなければ、収入はゼロです。

私がそれを知ったのは、倒れてからでした。順番が逆でした。

家族を守れたのは、偶然に近かった

結果的に、なんとか乗り越えることができました。OTのパート収入が細々と続いていたこと、妻が仕事を持っていたこと、貯金がギリギリ底をつかなかったこと。いくつかの偶然が重なっていました。

もし貯金がもう少し少なかったら。もしOTのパートもやめていたら。もしヘルニアがもう1ヶ月長引いていたら。そう考えると、今でも背筋が冷たくなります。

独立を諦めたのではありません。今はまた整体の仕事を続けています。でも、あのとき足りなかったものはわかっています。生活費6ヶ月分の自己保険。所得補償保険への加入。そして、「動けなくなる日が来る」という前提で準備を組むこと。

今なら、違う準備ができます。

▶ あわせて読みたい:フリーランス・副業で独立する前に知るべきリスク管理|医療職の転職完全ガイド

【免責事項】本記事は筆者の個人的な体験に基づく記録です。特定の診断・治療・法的助言を行うものではありません。心身の不調が続く場合は医療機関、職場の問題は労働相談窓口など専門機関にご相談ください。

キャリア・環境リカバリー
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この記事を書いた人

なぎのアバター なぎ

🐢 ナギ(作業療法士)
作業療法士18年・整体師。7年のダブルバインド環境で体重が7kg減り、転職を決意した当事者。HSP気質。「逃げることも選択肢のひとつ」と伝え続けています。

🐰 キコ(精神科看護師)
精神科看護師。働きながら通信制看護学校を卒業し校長賞を受賞。退職相談を経て部署移動を選んだ当事者。夫ナギとともに、医療職のリアルな回復・働き方を発信中。

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