こんにちは、きこです🌷
精神科で看護師をしながら、医療職の働き方について書いています。
「気合で乗り切ろうとしたけど、戻らない、、、」
「やる気が出ないのは、私のせいなのかな」
「土台から立て直すって、何から始めればいい?」
📌 この記事は、こんな方へ
・気合いでなんとかしてきたけれど、もう戻らないと感じている方
・『回復』というより『再建』が必要そうだ、と思いはじめた方
・土台から整え直す習慣を、現実的なサイズで知りたい方
📋 この記事でわかること
- 消耗状態が「気合」では治らない、生理学的な理由
- 回復に順番がある——どこから手をつけるべきか
- 睡眠・栄養・身体・自律神経・心、5つの軸の整え方
- 夜勤明け、燃え尽き気味、慢性疲労——状態別の入口
- 夫婦(OT+精神科看護師)が実際にやっていること
「もう少し気合いを入れれば」「休めば治る」「気の持ちようだ」。
医療現場には、今もこういう言葉が静かに残っています。
患者さんに対しては言わないようにしている人でも、自分自身に対しては平気で使ってしまう。私もそうでした。
体重が七キロ落ちてもまだ、自分は「ちょっと疲れているだけだ」と思い込んでいたのです。疲れているのではなく、消耗していた。その違いを自覚できるまでに、七年かかりました。
妻のキコも、似たような時期がありました。
「帰宅後はずっと放心していた。仕事のことが頭から離れなくて、休日も切り替わらなくて」。そう話していたのを覚えています。
精神科看護師として、人のメンタルを支える側のはず。それなのに、自分のメンタルがいちばん削れていた。二人とも、自分の異変に気づくのが遅すぎました。
慢性的なストレス・睡眠不足・自律神経の乱れは、脳と身体に物理的な変化を起こします。戻すには、物理的な介入が必要です。意志の問題ではなく、生理学の問題なのです。
この記事は、夫婦で実践している「土台から立て直す」回復習慣のガイドです。OT十八年の私と、精神科看護師二十年以上のキコ——二人の体験から、状態別に入口を整理しました。
なぜ「気合」では戻らないのか
長期間の消耗が起きると、身体の中で連鎖反応が始まります。
交感神経が立ちっぱなしになって、休んでも休めなくなる。深いノンレム睡眠が減って、寝ても回復しなくなる。ストレスで消耗するビタミンとミネラルが、慢性的に枯渇していく。筋膜や関節が緊張で固まって、循環が悪くなる。そしてなにより——「自分が悪い」「動けない自分はダメだ」と、認知が歪んでいく。
これらは互いに絡みあっています。だから一点突破では戻りません。複数の軸を、同時に整える必要があります。
とはいえ、最初から全部やる必要もありません。「土台から順番に」整えていくのが、結局のところいちばんの近道です。
💡 OTとして気づいたこと
作業療法では、患者さんの回復を「身体機能→活動→参加」の三層で考えます。職場で消耗した自分自身に対しても、同じです。最初から「やる気」を取り戻そうとしない。まず身体機能(睡眠・自律神経・筋緊張)から立て直す。それが鉄則だと、今は思っています。
下から積み上げる——7つの回復習慣
順番が大事です。下から積み上げるイメージで読んでもらえると、自分の状態に合った入口が見つけやすいと思います。
まずは睡眠を取り戻す
すべての回復は、睡眠から始まります。睡眠が崩れている状態では、他の何をしても効率が悪いのです。
寝室の環境、寝具、夜のルーティン。これだけ見直しても、状態は驚くほど変わってきます。私自身、腰のヘルニアで二ヶ月療養することになったとき、それを痛感しました。
👉 詳しく:睡眠の質を劇的に改善する「寝室環境」5つの見直しポイント
栄養で土台を作る
ストレス下では、ビタミンB群・マグネシウム・タンパク質が大量に消費されていきます。糖質メインの食事だけでは、消耗状態の身体は回復できません。
共働きで五人家族。夫婦どちらも夜勤や帰宅時間が読めない。そんななかで、それでもなんとか回している現実的な栄養戦略をまとめています。
👉 詳しく:タンパク質だけじゃない!疲労回復に効く「回復栄養素」完全ガイド
身体を整える
ストレスは、筋膜を固めます。固まった筋膜は循環を悪くする。循環の悪さが、さらに疲労を蓄積させる——この悪循環に、私は何年も気づけずにいました。
自分自身が実際に毎晩やっているセルフケアを、技術者としての視点で整理してあります。
👉 詳しく:仕事終わりの疲れが抜けない…身体リカバリーに必要な3つの習慣
👉 関連:「なんとなく不調」を放置しない——セルフケアで整える身体メンテナンス習慣
夜勤の後を、ちゃんと過ごす
夜勤明けの過ごし方ひとつで、その後三日間のコンディションが変わってきます。
キコが言っていました。「夜勤明けに用事を入れてしまって、回復が全然追いつかない時期があった。プロトコルを決めてから明らかに変わった」と。
彼女の実体験を含めて、夜勤明けに何をして何をしないかを整理しています。
👉 詳しく:夜勤明けでも疲れを残さない!医療従事者のための回復プロトコル
瞑想なしでもできる、マインドフルネス
「瞑想は無理」と感じる人ほど効きます。
HSP気質の私が、忙しい毎日の中でなんとか続けられている五分のマインドフルネスを紹介しています。日常の動作を意識するだけで、自律神経は静かに整っていきます。
👉 詳しく:マインドフルネスは「瞑想しなくても」できる!日常の5分でできるリカバリー習慣
翌日に持ち越さない技術
すぐに環境を変えられない時期。「持ち越さない技術」が、消耗速度を決めます。
デプレッシャー(圧抜き)を習慣化することで、ストレスの慢性化を防ぐ方法を体系化しました。
👉 詳しく:職場ストレスを「溜めない」技術——毎日できるデプレッシャー習慣
燃え尽き状態から戻すために
すでに燃え尽きの気配がある人は、いきなり「習慣化」と言われてもしんどいと思います。
体重が七キロ減るまで自分の異変に気づけなかった私。帰宅後の放心状態が続いていたキコ。二人の実体験から、燃え尽きのサインと、そこから戻るための具体策を書いています。
👉 詳しく:「何もしたくない」は怠けじゃない——燃え尽き症候群のサインと対処法
あなたの状態別・どこから始めるか
⚠️ 状態別ロードマップ
- 眠れない・夜中に目が覚める → まず睡眠から
- 夜勤明けがつらい → 夜勤プロトコルから
- 身体が固い・腰や首が重い → 身体ケアから
- 食欲がない・体重が変動している → 栄養から
- 休日も気が休まらない → マインドフルネス・ストレス処理から
- 「何もしたくない」が続いている → 燃え尽き対処から、必要なら医療機関も
夫婦で続けている、小さな約束
OTの私と、精神科看護師のキコ。職業的に、身体とメンタルの両方に関わっています。だからこそ、二人で意識的に続けている約束ごとがあります。
夜勤明けの日は、予定を入れない。これを決めてから本当に変わった、とキコはよく言います。
朝食は必ず取る。自律神経の起点だから。
就寝の一時間前には、スマホを置く。光と情報の刺激を切るためです。
週に一、二回は、ストレッチタイム。固まりを残さないために。
そして——その日感じた「しんどさ」を、お互いに言葉にする時間を持つ。溜めないために、いちばん大事なことかもしれません。
子どもたちが寝た後の、夫婦で何もしない時間。交感神経を切るための時間です。
完璧にできているわけではありません。でも、こうした小さな約束を意識し始めてから——二人とも「持ち越し疲労」が、明らかに減ってきました。
セルフケアで戻らないなら、医療機関へ
セルフケアで戻らないレベルの消耗——不眠が二週間以上続く、食欲が戻らない、希死念慮がある。これは習慣や気合では戻せない領域です。心療内科や精神科の受診を、強くおすすめします。
「病院に行くほどじゃないと思う」と感じる人ほど、実は行ったほうがいい状態のことが多い。これが、私たち夫婦が現場でずっと見てきた現実です。
判断は、専門家に任せていい。自分は「行くか行かないか」を決めるだけでいいと思っています。
回復には「許可」が必要なのだと思う
📖 OT18年・私から
正直に書きます。患者さんには「ちゃんと休んでくださいね」と、毎日のように言っていました。それなのに私自身は、体重が七キロ落ちるまで、自分の異変に気づきませんでした。
キコも、人のメンタルを支える看護師でありながら——自分は帰宅後の放心状態のサイクルに、ずっとはまっていた時期があります。
医療職は、休むことに罪悪感を持ちがちです。でも、休んで戻す技術を持っていない人が、誰かを長く支えていくことはできません。これは綺麗事ではなく、現実的な持続可能性の話です。
回復は、気合ではなく技術です。技術は、学べば誰でも身につけられる。でも、その手前で必要なものがあります。「自分は回復していい」という、自分への許可です。この記事が、その許可になればいい——そう思いながら書きました。
あなたへ:回復は、怠けではありません。回復は、仕事です。自分を回復させることに、もっと真剣になっていい。それは、患者さんのため。家族のため。何より、これから先の長い人生をやっていく自分自身のためです。
まとめ
- 消耗状態は「気合」では戻らない。身体に物理的な変化が起きている
- 回復は土台から順番に——睡眠・栄養・身体・自律神経・心
- 状態に合った入口から始めれば、無理なく積み上がる
- セルフケアで戻らない場合は医療機関へ。判断は専門家に任せる
- 回復は怠けではなく仕事。自分を回復させることに真剣になっていい
【免責事項】本記事は筆者の臨床経験と当事者視点に基づく一般的な情報提供であり、特定の診断・治療を行うものではありません。心身の不調が続く場合は医療機関にご相談ください。
📚 参考・引用文献
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(https://www.mhlw.go.jp/content/001114280.pdf)
- 厚生労働省「過重労働による健康障害防止のためのガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/content/000894640.pdf)
- 公益社団法人 日本作業療法士協会(JAOT)「作業療法とは」(https://www.jaot.or.jp/about/)
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🌱 さいごに
辞めたい人だけが、備えるわけじゃありません。
いまの職場をできるだけ長く続けたい人ほど、「いつ何が起きてもいい次の手」を、そっと準備しておくこと——。
それが、いちばん心が楽になる道だと、私は思っています。
この記事が、あなたの「いつか」のとなりに、ほんの小さな「次の手」を置くきっかけになれたら嬉しいです🌷

