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「自分がやられているわけじゃないし」と思いながら半年経っていた。職場が合わないことに気づくための10項目

2026 5/15
キャリア・環境リカバリー メンタルリカバリー
2026年5月11日2026年5月15日

こんにちは、きこです🌷

精神科で看護師をしながら、医療職の働き方について書いています。

「自分が直接やられているわけじゃないし、、、」

「でも、なぜか半年経ってもしんどい気持ちが消えない」

「これって、私が気にしすぎなだけ?」

📌 この記事は、こんな方へ

・直接やられてはいないけれど、なんとなく職場で消耗している方

・「自分の問題かも」と自分を責めてしまいがちな方

・職場が自分に合っているか、ぼんやり確かめたい方

「自分がやられているわけじゃないし」「まだ慣れていないだけかも」——そう思いながら、気づいたら半年以上経っていました。

私自身、転職直後の職場でそういう時期がありました。自分が標的になっているわけではない。でも帰るたびに、何かが少しずつ削れていく。その感覚が「普通」になってしまう前に、立ち止まって確認してほしいことをまとめました。

目次

なぜ「合わない」に気づきにくいのか

職場環境の問題は、急に悪化することよりも、「じわじわと」進むことのほうが圧倒的に多いように感じています。最初に「おかしいな」と感じていたことが、いつの間にか「これが普通」に変わっていく。感覚が麻痺し始めると、自分の消耗にすら気づけなくなっていきます。

これは意志の弱さではありません。慢性的なストレスによる、神経系の適応反応です。「正常な判断基準」が、本人の自覚なしに少しずつズレていきます。チェックリストは、そのズレを言語化するための道具として使ってもらえたらと思います。

チェックリスト:10の項目

直感的に「当てはまる」と感じたら、チェックを入れてください。深く考えず、最初の反応で。

【A】職場の空気

【B】自分の行動

【C】身体・思考のサイン ⚠️ 特に重要

チェック数でわかること

0〜3
軽度注意期
現状把握と記録を。変化に気づく感度を保ちながら、小さなセルフケアを始めましょう。
4〜6
消耗蓄積期
神経系に負荷がかかっています。今の環境を客観的に評価し、出口の選択肢を持つ時期です。
7〜10
回復優先期
身体と神経系の保護が最優先。環境を変える具体的なアクションを始めてください。

当てはまった数より、「どれが当てはまるか」のほうが大事です

【C】身体・思考のサイン(c7〜c10)が多く当てはまっている場合は、数に関わらず消耗がかなり深いところまで進んでいます。特に「おかしいと感じていたことが普通になってきた」「最初の感覚がなくなっている」の二つは、感覚麻痺が始まっているサインです。

動けなかったのは、あなたのせいじゃありません

いじめや暴言を目撃しても、身体が動かなかった経験を持っている方へ。

これは「凍りつき反応(Freeze Response)」と呼ばれる、自律神経の自動応答です。脅威に直面したとき、戦うでも逃げるでもなく、止まることを選ぶ——これは弱さではなく、神経系が状況を正しく読んだ結果なのです。新人が職場のトップに進言して状況が好転する可能性が低いなら、止まることのほうがむしろ合理的な判断だったりします。

また、他者の苦しみを見るだけで自分も消耗するのは、脳のミラーニューロン(他者の体験を自分のことのように処理する神経細胞)が正常に機能しているからです。目撃するだけで消耗するのは、共感力の高さの表れであり、神経系の誠実な反応そのものなのです。

「合わない」は、環境を変えていい正当な理由になる

家族がいる、転職したばかり、経済的な余裕がない——それでも「この場所が合わない」という感覚を、自分の中に持ち続けることが大切だと思っています。感覚を持ち続けることが、タイミングが来たときに動ける準備になるからです。逃げではありません。自分の神経系を守るための、正当な判断です。


動画で解説:見ているだけなのに消耗する——それは弱さじゃない

このチェックリストの背景にある「なぜ見ているだけで消耗するのか」を、ミラーニューロンと凍りつき反応の観点から動画で解説しています(約8分)。

職場のいじめを見ているだけで消耗する理由、動けなかった理由については、職場のいじめを「見ているだけ」でも消耗する理由と3つの対処法で詳しく書いています。

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  • 医療職が職場で消耗する10のパターン
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  • 「辞めたい」と感じたときに取るべき5つのステップ
  • 医療職の転職ガイド:次を決めてから辞める準備の進め方

参考文献・根拠となる知見

  • van der Kolk, B. A. (2014). The Body Keeps the Score: Brain, Mind, and Body in the Healing of Trauma. Viking Press.(邦訳:身体はトラウマを記録する)
  • Porges, S. W. (2011). The Polyvagal Theory: Neurophysiological Foundations of Emotions, Attachment, Communication, and Self-regulation. W. W. Norton.
  • Rizzolatti, G., & Craighero, L. (2004). The mirror-neuron system. Annual Review of Neuroscience, 27, 169–192.
  • Maslach, C., & Leiter, M. P. (2016). Understanding the burnout experience: recent research and its implications for psychiatry. World Psychiatry, 15(2), 103–111.
  • 厚生労働省(2012).「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」
  • 厚生労働省(2023).「令和4年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」

【免責事項】本記事は筆者の臨床経験と公開研究をもとにした一般的な情報提供であり、診断・治療・法的助言を行うものではありません。心身の不調が続く場合は医療機関へ、職場の問題は労働相談窓口などの専門機関にご相談ください。

🌱 さいごに

辞めたい人だけが、備えるわけじゃありません。

いまの職場をできるだけ長く続けたい人ほど、「いつ何が起きてもいい次の手」を、そっと準備しておくこと——。

それが、いちばん心が楽になる道だと、私は思っています。

この記事が、あなたの「いつか」のとなりに、ほんの小さな「次の手」を置くきっかけになれたら嬉しいです🌷

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この記事を書いた人

なぎのアバター なぎ

🐢 ナギ(作業療法士)
作業療法士18年・整体師。7年のダブルバインド環境で体重が7kg減り、転職を決意した当事者。HSP気質。「逃げることも選択肢のひとつ」と伝え続けています。

🐰 キコ(精神科看護師)
精神科看護師。働きながら通信制看護学校を卒業し校長賞を受賞。退職相談を経て部署移動を選んだ当事者。夫ナギとともに、医療職のリアルな回復・働き方を発信中。

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