こんにちは、ナギです🐢
作業療法士として18年、いまは訪問のリハビリと、自費リハビリの副業をしながら、医療職の働き方について書いています。
「ストレスは感じていない、と思っていた、、、」
「でも気づくと、体重が7kg減っていた」
「翌日に職場のストレスを持ち越さない方法って?」
📌 この記事は、こんな方へ
・ストレスが身体のサインで出るタイプの方
・『デプレッシャー』の習慣を持っていない方
・翌日に消耗を持ち越さない、夜の整え方を知りたい方
職場のストレスは、避けられないものだと思っています。でも溜め込み方次第で、身体とメンタルへのダメージが大きく変わると、自分の体験から実感してきました。「翌日に持ち越さない」ための習慣を、少しずつ積み上げてきました。
ストレスが「慢性化」するとどうなるか
短期的なストレスは本来、人を奮い立たせる力になります。問題は慢性ストレスでした。コルチゾール(ストレスホルモン)が長期間高い状態が続くと、免疫低下・睡眠障害・集中力の低下・身体の痛みなどが現れます。私もそれを、身体が先に壊れていく形で知りました。
【体験談】気づいた時には身体が限界だった
最初に入職した職場での話です。
1年先輩のOTから、どの選択をしても叱責される日々が続きました。質問すれば「そんなことも知らないのか」、質問が少なければ「それだけしか考えていないのか」。これは「ダブルバインド(二重拘束)」と呼ばれる状態で、長期間続くと自分がストレスを受けていること自体に気づけなくなっていくのだと、後になって初めてわかりました。
3年が経った頃、急にご飯が食べられなくなりました。精神的な不調は自覚していませんでした。食べては吐くを繰り返し、1〜2ヶ月で体重が7kg減りました。病院で検査しても異常なし。「ストレスはないですか?」と聞かれても「特にないです」と答えていたのです。
気づいたのは、先輩と物理的な距離ができてからのことでした。「あの環境は異常だったんだ」と分かるまでに、7年かかりました。渦中にいるときは、絶対に気づけないものでした。
キコも、リーダー業務が週の半分以上ある職場で「臨機応変に動け」と怒鳴られる日常を経験していました。業務過多でストレスを溜め込み、帰宅後に放心状態になるサイクルが続いていたと話してくれました。この2つの体験から痛感しているのは、「ストレスを処理する技術」を持っておくことの大切さです。
退社後15分の「デプレッシャーゾーン」を作る
仕事が終わったら、帰宅途中や帰宅直後の15分を「切り替えの時間」として確保するようにしました。
💡 この15分にやっていること
- 深呼吸3セット:4秒吸って、8秒かけてゆっくり吐きます。副交感神経を優位にします
- 今日の「よかったこと」を1つ思い出す:小さなことでいいです。脳のネガティブ偏重を少しずつ和らげます
- 仕事用スマホの通知をオフにする:物理的な切り離しが自律神経の回復を早めてくれます
【キコの話】帰宅しても頭が「仕事モード」のままになる
キコから聞いた話です。
帰宅してからも、頭が職場に残ったままになってしまうと話してくれました。「あの対応、ちゃんとできていたか」「あの言い方をされたのはなぜだろう」——仕事に戻るまで答えは出ないのに、考えが止まらない。特に休日前の夜が一番しんどく、休みに入ってもモードが切り替わらず、切り替わったと思えば夕方にはもう翌日の仕事が頭に浮かびはじめる。休んでいるのに、休めていない感覚が続いたとキコは言っていました。
この状態から抜け出すために実践していることが2つあると話してくれました。
①「今、脳が仕事モードになっている」と名前をつける
感情に飲み込まれそうなとき、「あ、まだ脳が職場にいる状態だ」と一歩引いて認識するだけで、少し距離ができるそうです。思考を止めようとするより、「そういう状態になっている」と客観的に気づくほうが楽になると話していました。
②物理的に職場から遠ざかる
田舎に行く、広い景色を眺める——そうすると、悩んでいたことが急に小さく見える瞬間があるとキコは言います。「自分はどうすると切り替わるのか」を事前に知っておくこと。追い詰められてから探すより、余裕があるときに自分の回復パターンを一つ持っておくだけで、ずいぶん違うと話してくれました。
「書き出す」ことでストレスを外に出す
頭の中でぐるぐる考え続けることをルミネーション(反芻思考)といいます。これが慢性ストレスを悪化させます。解決策は「紙に書き出すこと」でした。5分間、今感じていること・気になっていることをそのまま書くだけで、脳内の負荷が軽減されるのだと気づきました。私もしんどいときにやります。書き終えると、頭の中が少し整理される感覚があります。
週末の「完全オフ日」を死守する
休日も仕事のことを考えてしまう方は、意識的に「ノーワーク日」を設けることが大切です。趣味・散歩・家族との時間など、仕事と完全に切り離した活動が交感神経優位の状態をリセットしてくれます。
【OT視点】「自分らしい時間」を持つことが、溜めない技術の本質
精神科でOTとして働いています。ストレスで限界を迎えた方と関わるなかで、ほぼ共通して見えてくることがあります。
「仕事以外に、自分の時間がほとんどない」——これが、ほぼすべてのケースに当てはまっていました。
アルコール依存症になった方、長期休職になった方。多くの事例で「好きなことをする時間が一切なかった」という話が出てきました。余暇・休息・仕事の比率が完全に崩れた状態でした。
私自身の話をすると、当時ラジコンのドリフトに夢中でした。友人と走りに行く時間が、仕事の疲れをリセットする唯一の場所でした。でも職場の文化が変わるにつれ、「勉強会は断れない」「プライベートの予定を優先することへの罪悪感」が積み重なっていきました。
気づけば私は、意識的にプライベートを楽しまないようにしていました。「職場に適応するため」に、好きなことを自分から手放していたのです。そしてその結果、身体が先に壊れました。
作業療法の理論でいえば、これは「作業バランス(Occupational Balance)」の崩壊でした。仕事・セルフケア・余暇のどれかが著しく偏ると、人は心身のバランスを保てなくなります。「週末に完全オフを取る」というのは単なる休息の話ではなく、自分らしい時間を生活の中に確保すること——これがストレスを溜めない技術の根本だと気づきました。
「何が好きだったか」を思い出すことが、最初の一歩になることがあります。
「環境を変える」という選択肢も持っておく
デプレッシャー習慣は、あくまで「今の環境でできること」への対処法です。ストレスの根本が職場の人間関係や労働環境そのものである場合、どれだけ対処しても限界があります。
私が7年間かけて学んだことは、「耐えることが正解ではない」ということでした。心の傷は体の傷よりもずっと治りにくいです。今の職場に違和感を感じているなら、まずは情報だけでも集めてみることも一つの道だと思っています。
まとめ
職場ストレスは「発生すること」は避けられません。でも「どう処理するか」はコントロールできるのだと、長い時間をかけて学びました。まず1つだけ試してみてください。そして、もし環境そのものが問題だと感じるなら、それを「逃げ」だと思わないでほしいのです。逃げることも、選択肢のひとつです。
📚 参考・引用文献
- 厚生労働省「職場における心の健康づくり—労働者の心の健康の保持増進のための指針」(https://www.mhlw.go.jp/content/000560416.pdf)
- 独立行政法人 労働者健康安全機構(JOHAS)「こころの健康相談室」(https://www.johas.go.jp/Default.aspx)
- 厚生労働省「ストレスチェック制度の概要」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/)
🔗 同じテーマの関連記事
📍 あなたの次のステップ
🌱 さいごに
身体や心が出す小さなサインは、未来のあなたを守るための合図です。
「気のせい」と片付けて先送りにしてしまう前に——少しだけ、自分の側に意識を向けてあげてください。
無理を重ねないという選択も、立派なケアのひとつだと、私は思っています。
この記事が、あなたが自分を整える時間を、ほんの少しだけ取り戻すきっかけになれたら嬉しいです🐢

