「いまの職場は嫌いじゃない、できればこのまま続けたい、、、」
「でも最近、ベテランの人が立て続けに動かされている気がする」
「もしもの時に、自分には何ができるんだろう、、、」
こんにちは、きこです🌷
精神科で看護師をしながら、医療職の働き方について書いています。
この記事は——同じ職場の、ベテランの方から相談を受けたある日のお話から始まります。
📌 こんな方に、そっと読んでもらいたい記事です
・できれば今の職場で長く続けたい、でもどこか不安、という方
・「辞めたい」とは思っていないけれど、もしもの時の備えはしておきたい方
・職場でベテランの方の不自然な異動を見て、胸騒ぎを覚えている方
先日、同じ職場のベテランの方から、ある相談を受けました。
その方は「最低でも60歳までは働きたい」と、ずっと願ってきた方です。
そんな方に、、、ある日、突然の辞令が出ました。
納得がいかなくて、人事の方に話を聞きに行ったそうです。
返ってきたのは、こんな言葉でした。
💬 同僚から聞いた言葉
「辞令にそぐえないのなら、再就職はどうですか」
聞きながら、私は本当にぞっとしました。
これは他人事じゃない——そう思ったんです。
同じ法人にいる以上、いつか自分にも降りてくる扱いです。
二十代の人にも、三十代の人にも、私のような中堅にも。
私自身、いまの職場を続けるつもりでいました。
辞めたいわけじゃないんです。
でも、『いつ何が起きても大丈夫』な準備くらいは、ちゃんとしておかないとな——。
その夜、そう思ったんです。
なぜ、ベテランの方が「動かされる側」に回ってしまうのか
① 60歳手前の「給与が逆転する」構造
多くの医療法人には、ある年齢を境に給与が一律で下がる仕組みがあります。
「役職定年」「職務給への切り替え」、、、呼び方はさまざまです。
でも、共通しているのは1つ。
長く勤めた人ほど、定年の少し前にいちばん給与が高くなるという構造です。
つまり「最低でも60歳までは」と願う数年間は——。
本人にとっては、ようやく最後の報酬を受け取る数年間。
でも法人にとっては、人件費がいちばん重い数年間なんです。
同じ時期を、立場によって正反対の意味で見ているんですよね。
② 給与の高い人を「動かす」という経営判断
給与の高いベテランを、そのまま「辞めさせる」のは難しい。
法的にも、世間体的にも、ハードルが高いからです。
だから選ばれるのは——。
「辞めさせる」ではなく、動かすというかたち。
本人の希望に反する部署への異動。
夜勤の多い病棟への配置転換。
明らかに合わない業務への配属。
そうやって、本人が自分から『もう続けられません』と言い出す状況を、静かに作っていきます。
「もしかして注意のサイン?」を見抜く4つのこと
同僚の話を聞いたあと、私はあらためて自分の職場を見回してみました。
すると——いくつかのサインが、確かに出ていたことに気づいたんです。
もしよろしければ、ご自身の職場でも一緒にチェックしてみてくださいね☺️
① 役職定年・給与逆転の制度が、自分の法人にもありますか?
まずは自分の法人の給与規程を、一度ちゃんと読んでみることです。
何歳から、どの項目が、どれくらい下がるのか。
それを、まず数字で知っておくこと。
自分がその年齢に近づいたとき、どう扱われる可能性があるかが、ぼんやり見えてきます。
② 「なぜこの人が、いま、この部署へ?」と感じる異動はありませんか?
違和感のある配置転換、というのがあります。
本人の希望と明らかに違う方向に動かされているとき。
それは、個別の判断ではないかもしれません。
構造的に「動かしたい層」へのアプローチが、もう始まっている可能性があります。
③ 説明される「理由」と、現場の感覚が噛み合っていますか?
配置転換の説明として、よく使われるのが「稼働率」「効率」という言葉です。
「稼働率が低いから」「人手が足りないから」、、、
数字を持ち出されると、本人は反論しづらいですよね。
でも、稼働率の出し方や対象期間は、伝える側が選べるもの。
実際、同僚の話で言うと、その方はチームのなかでいちばん稼働している方でした。
それでも「稼働率が低いから」という理屈は通っていたんです。
説明される理屈と、目の前にある事実が噛み合わないとき。本当の目的は、たぶん別のところにあります。
④ 面談で「再就職」「外で活躍」という言葉が出てきましたか?
これがいちばん分かりやすい、最終サインです。
本人が辞令に納得できず、人事面談に行った場面で。
「再就職はどうですか」
「外で活躍されたほうが」
こうした言葉が出てきたら、『動かしたい』というメッセージは、もう明文化されていると思ってください。
同僚の場合も、まさにこの言葉でした。
サインに気づいたあと、つい「やりがち」な3つのこと
ここまで読んで、
「あ、自分の職場にも似たサインが出てるかも、、、」
そう思ってくださった方へ。
気づいたあとに——つい、やってしまいがちなことが3つあります。
これを知っているだけでも、いざという時の動きやすさがぜんぜん違ってきます。
NG① 「気のせいだ」と、自分に言い聞かせてしまう
誰しも、現実から目をそらしたくなる瞬間があります。
「考えすぎだ」「気のせいだ」と、自分に言い聞かせて時間を稼いでしまう。
でも、胸騒ぎは、たいてい正しいんです。
違和感を覚えたその瞬間が、いちばん動きやすいタイミングだったりします。
NG② 「上司に相談する」だけで、止めてしまう
相談すること自体は、もちろん大事です。
でも、相談する相手が、自分を動かす側の人だったら——。
「次の手を考えています」と伝えてしまった瞬間、向こうの段取りはもっと加速します。
次の手の準備は、組織の外と、自分の手の中だけで進めるのが安全だと、私は思っています。
NG③ 「自分は大丈夫」と、根拠なく思ってしまう
「自分はちゃんと評価されているから、ああはならないはず」
そう思いたくなる場面って、ありますよね。
でも、これまでお話ししてきた通り——。
給与逆転や配置転換は、個人の評価とは別の論理で動いている構造です。
「自分は大丈夫」と思った時点で、備えが遅れてしまいます。
いつ何が起きても大丈夫——「次の手」を準備しておきたい5つのこと
辞めたいわけじゃない。
できれば、いまの職場で長く続けたい。
そう思っている方こそ——。
『いつ何が起きてもいい備え』を、静かに整えておくことが、結局いちばん心が楽になります。
辞める準備、ではなく——次の手を、ぼんやりとでも持っておく。
そんなイメージで読んでみてくださいね。
① 「いつか」に「次の手」を添えておく
「いつか辞めるかも」と思っているだけだと——。
いざという時、選択肢がないまま動かされる側に回ってしまいます。
でも、「もしものときは、こうする」という次の手が1つでもあると、
同じ職場で働く今日が、ふしぎと少し軽くなるんです。
辞める日付ではなく、「次の手が立ち上がる時期」を、ぼんやりでもいいから持っておくこと。
② 副業は「シフト依存型」より「自分の時間で完結する型」を1つ持つ
本業のシフトが固定だから、毎週決まった時間に入る副業が成り立っている、、、
私自身、そうやって副業を成り立たせていました。
でも本業のシフトは、いつでも変えられる側にあります。
シフトが不定期になった瞬間に、副業ごと崩れてしまう仕組みなんです。
文章・動画・スキル販売など、シフトに左右されない型の収入源を、もう1つ持っておくこと。
これが、いざという時の心の余裕に直結します。
③ 「次の手」の仕込みは、本業がいちばん落ち着いているうちに
次の手の仕込みは、本業に余裕ができてから——では遅いことが多いです。
なぜなら、本業に余裕がなくなる方向に、職場側が動かしてくるから。
本業がいちばん落ち着いているうちに、少しずつ前に進めておく。
これが、結果的にはいちばん間に合います。
④ 一律の構造に「自分は例外」を持ち込まない
「自分は周りと違って評価されているから、大丈夫」
そう思いたくなる場面って、ありますよね。
でも、給与逆転や配置転換は、個人の評価とはまったく別の論理で動いている構造です。
「自分は例外」と思った時点で、備えが遅れてしまいます。
⑤ 信頼できる同僚との「情報網」を持っておく
そして、ひとりで構えないこと。
「○○さんに辞令が出たらしいよ」
「最近、職場の方針が変わったみたい」
こうした情報を、お互いに分け合える関係を、職場のなかに持っておくこと。
同じ法人にいる人どうしのほうが、外より早く異変に気づけます。
今回、私が同僚から相談を受けられたのも——そんな関係があったからでした。
私のケース——「いつか」に、そっと次の手を添えた夜
このブログでは「医療職の働き方を整える」という視点で記事を書いています。
でも、同僚の話を聞いたあの夜は——。
もうひとつ、個人的なエッセイを、noteのほうに書きました。
制度や対策のお話ではなく、、、
ひとりの人間として、何を感じて、どう次の手の輪郭を描き直したかを残しておきたかった文章です。
もしよろしければ、合わせて読んでいただけたら嬉しいです🥹
おわりに
「最低でも60歳までは」という願いが、ひと言の辞令で、ふっと覆される——。
医療の現場で、それはもう、特別なことではなくなってきました。
背景には、60歳手前の給与逆転構造と、それを動かしたい経営側の論理があります。
辞めたい人だけが、備えるわけじゃありません。
むしろ——いまの職場をできるだけ長く続けたい人ほど、次の手を持っておいたほうが、心が楽になる。
私は、そう思っています。
🌱 私たちにできること
構造に文句を言い続けることよりも——。
いつ何が起きても大丈夫なように、次の手を静かに準備しておくこと。
・「いつか」に「次の手」を添えておく
・副業の型をシフトに依存しないものに
・本業が落ち着いているうちに仕込む
・「自分は例外」を持ち込まない
・信頼できる同僚と情報を分け合う
「いつか」のとなりに、「次の手」をひとつ。
それだけで、明日からの職場が、少しだけ違って見えると思います。
同僚のあの言葉が、私にそれを教えてくれました。
この記事を読んでくださったあなたの「いつか」のとなりに——
今夜、ほんの小さな「次の手」が、そっと置かれてくれたら嬉しいです🌷
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